| 第4回 歯周病の予防について考えてみましょう。 |
| 平成18年7月27日(木)高松市にある古高松コミュにテイ−センタ−にて講演をしてきました。当日は炎天下の中、約40名の方々に熱心に聞いて頂き感謝申し上げます。講演では十分な時間がなかったために、真意が伝わらなかったかもしれませんので、内容を分かりやすくまとめてみました。ご活用頂ければ幸いです。 |
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| 歯周病の病態について簡単にまとめてみました。 |
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| 我々歯科医にとって、日々の診療の中で常に思うことは歯周病が一番怖いということ。歯周病を克服できれば恐らく大半の方々が8020運動(80歳で20本残しましょう。そしたら美味しく食べれますよという運動)に到達すると考えられます。現代医学の中で平均寿命が特に女性の方は85歳前後まで延びました。歯の寿命も同じく延ばし、いつまででも健康で若さを保とうではありませんか。 |
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1.かかりつけ歯科医にてブラッシング指導を受けたけれども改善されません。どうしてなの? |
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| お体の健康状態を一度見直してみて下さい。生活習慣病に一つでもなっていたならば、お口の中では歯周病の進行が速まることが報告されています。つまり、いくら時間とお金を使って歯医者さんに通っても生活習慣の見直しがなされなければ治らないのです。 |
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2.生活習慣病と歯周病について |
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生活習慣病は以前、「成人病」とも言われていましたが、厚生労働省は呼び名が適切でないと言うことで、1996年に生活習慣病と呼び換えました。
生活習慣病とは、生活習慣を改善しなければいくら時間とお金を使ってお医者さんや、歯医者さんに通っても治らない病気のことです。この病気は、サイレントディジ−ズ(静かな病気)とも言われ、普段はほとんど病気の症状もなく進行していく恐ろしい病気です。
その生活習慣病を引き起こす因子は、たばこ・アルコ−ル・食事・運動といわれています。やがて危険状態になると、肥満・高血圧・糖尿病・歯周病を引き起こします。さらにそれが進むと生命の危機を感じることとなるでしょう。 |
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3.歯周病のリスク因子について |
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| 特にタバコと糖尿病が危険因子とされています。また、歯周組織の健康が全身の健康状態と関係があることが最近報告されてきています。それだけに、たかが口の中の健康なんて・・・。とお考えの方は改めた方が好ましいと考えます。 |
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歯周病のリスク因子は、次のように考えればいいかと思います。
1.局所因子 1)歯石 2)不正咬合−解剖学形態異常、かみあわせ、不適合修復物など 3)不良習癖−ブラキシズム(くいしばり、歯ぎしりなど)、口呼吸など 4)小帯付着異常
2.全身因子 1)免疫能 2)遺伝・人種・年齢・性別 3)全身疾患−糖尿病・肥満
3.環境因子 1)薬剤の複数服用及び副作用 2)喫煙 3)ストレス |
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4.糖尿病について |
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糖尿病は、インスリン(膵臓のランゲルハンス島β細胞で合成・分泌され血糖を下げるホルモン)作用不足による慢性の高血糖状態を特徴とする代謝疾患です。インスリン作用とは、インスリンが体の組織で、代謝を調節する能力を発揮することをいい、適切なインスリンの供給と組織のインスリン必要度のバランスがとれていれば、血糖値を含む代謝全体が正常に保たれることになります。
病態は、1型(IDDM)と2型(NIDDM)に分けられます。 |
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5.糖尿病の分類 |
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1型(IDDM) |
2型(NIDDM) |
| 病態 |
膵臓のインスリンを分泌するβ細胞が破壊され、インスリン分泌が著しく低下し、最終的にインスリン分泌が枯渇するタイプの糖尿病であり、自己免疫疾患の一種と考えられています。 |
膵臓からインスリンは分泌されるが、インスリン分泌低下から高血糖を引き起こすタイプの糖尿病です。 |
| 特徴 |
羅患している小児・若年者は、全身的に健康なコントロール群と比較して、歯周病の羅患率や重症度が高い |
非羅患者に比べて歯周病の発生率が2〜3倍高い |
| 家族歴 |
ほとんどみられない |
多く見られる |
| 好発年齢 |
小児や若年層 |
成人 |
| 頻度 |
約5%以下 |
90%以上 |
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両者の関係はいずれも生活習慣病の範疇に入り、歯周病を治療することで糖尿病も改善し、糖尿病の進行を抑制できるというエビデンスが多く報告されています。糖尿病で歯周病に羅患している患者は、一般的に慢性歯周炎の患者よりも骨吸収が著しく、貧食作用も劣り、歯周病原因菌も特殊な最近(A.a菌)などが見られます。両疾患とも共通意識として、自己管理が重要であり、医師、歯科医師の指導のもとに自助努力による克服が要求されます。
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6.糖尿病対策 |
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糖尿病対策として、日本医師会、日本糖尿病学会、日本糖尿病協会の三者は、平成17年2月に「糖尿病対策推進会議」を設立し、糖尿病対策を推進しています。平成14年度に厚生労働省は日本人糖尿病患者数を740万人、予備軍を880万人、計1620万人と推定しています。
糖尿病に対する医療費(1年間)として平成14年度の医療費は2兆8952億円となり、平成22年は平成14年の69%の1兆9947億円の増加が試算されています。このように糖尿病は、生活習慣病として規定されるだけでなく国民病として、その対策を構築している。
因みに平成14年度の糖尿病医療費は歯科医療費の全部よりも上回っていることに注目する必要があるのではないかと考えます。 |
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7.メタボリックシンドロ−ム |
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メタボリックシンドローム(メタボリック症候群)とは、内臓脂肪型肥満によって高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病をはじめ、さまざまな病気が引き起こされやすくなった状態のことをいいます。
厚生労働省によると、40代以降では男性は2人に1人、女性で5人に1人が“危険水域”に該当すると認定されています。
肥満はどの部分に脂肪がつくかによって、2つのタイプに分かれます。 洋ナシ型といわれる、下腹部、腰のまわり、太もも、おしりのまわりの皮下に脂肪が蓄積するタイプと、リンゴ型といわれる、内臓のまわりに脂肪が蓄積するタイプです。
肥満症、高血圧、高脂血症、糖尿病を重複して発症することが多く、動脈硬化のリスクが極めて高いといえます。肥満症、高血圧、高脂血症、糖尿病のうち2つ当てはまる人は、全く当てはまらない人に比べて心臓病の発症リスクが10倍になるとの調査結果も発表されています。 |
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8.メタボリックシンドロ−ム対策と口腔問題の関連性にご理解を |
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2005年日本内科学会よりメタポリックシンドロームの診断基準が発表されました。また、17年9月7日の厚生科学審議会の中間報告において「メタポリツクシンドロームの予防のための施策の一環として、歯周病予防についても取り組むことが重要である」と明文化されています。
肥満に対し、誰もが実践できるしっかり咬むことによる顕著な効果が確認されています。ので、歯科の役割は重要な位置付けにあると考えています。
けど、おかしいですよね。各種健診事業は、医科がはるかに充実しています。歯科は何とかならないものですか。法律がからんでいるのでそう簡単には変わらないのが実情ですが、国民の皆様から『生活習慣病対策から歯科の健診は必要だ』という声を広めて頂ければ、世論によっては法律も変わるかもしれません。皆様に期待しています。 |
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9.タバコ |
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| 西岡歯科医院のブログ−生活習慣病を参考にして下さい。 |
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10.歯周病予防のための道具について |
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| 西岡歯科医院のブログ−ブラッシングの基本を参考にして下さい。 |
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11.まとめ |
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冒頭で申し述べたように、いくら時間とお金を使って歯医者さんに通っても生活習慣の見直しがなされなければ治らないのです。
健常者ないし、生活習慣病でないと思われる方は、今一度ご自身の現状の把握と生活習慣の見直しをしてください。
次にすべきことは、定期的な歯科受診を心がけて頂き、
1.自分のお口の中の清掃方法をかかりつけ歯科医にて教えてもらい、実践する
=セルフ ケア
2.定期的に受診して歯石除去を行う(PTCないしPMTC)
=プロフェッショナル ケア
を実践し、健康を維持するように努めて下さい。
生活習慣病にかかった方は歯周病の進行がはやまりますのでセルフ ケアとプロフェッショナル ケアを人一倍行わなければなりません。
定期的な歯科受診により、十分なセルフ ケアとプロフェッショナル ケアをかかりつけ歯科医から受けながら病気と正面から向き合ってください。
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